かちゃり、と綱吉は持っていた高級そうなティーカップを机に置いた。
「ねぇ、雲雀さん。知ってましたか?学校というものは元々日光の入りにくい空間なんです」
「………」
ティーカップに入っている紅茶がキラキラと光を反射して美しい。
目の前の雲雀は綱吉の話を聞いているのかいないのか、紅茶をまた一口飲んだ。
「南側に教室を作ったり、手元に影が落ちないように西側に教卓を作ったり、いろいろ工夫はされてますけど、元がそうだからそれにも限界があるんですよ」
「………で。何が言いたいわけ?」
一応は聞いていたらしい。雲雀からの返答に綱吉はにっこりと微笑んだ。
「いやだなぁ。わかってるでしょ、雲雀さん?」
滅多にない綱吉の満面の笑みから、雲雀はあえて視線を外した。
「あ、あれのこと?」
そろそろと窓を指さす。否、正確には窓のあった場所を。

…そこに窓は無かった。

代わりにあったのは、ぽっかりと空いた大きな穴だけ。

  (学校って光入らないよね)

「何なんですか、アレっ。昨日まで無かったですよねっっっ!?」
こんな大きな穴、一体どんなことをすればできるのだろうか。
雲雀のトンファーだけじゃ無理だろう。
この様子からみると、何か爆発物でも使った感じだ。

……………ば、爆発物?

「雲雀さん。もしかして昨日ここら辺に獄寺君とか来ませんでしたか?っていうか来たでしょう絶対っっ」
「…来たよ」
やっぱりかーーーーーーーーーーーっ。
「まさかまさかまさかっ。ここで戦ったりとかしたんですか?」
「したよ。で、あいつの持っていたダイナマイトでああなったの。許せないよね、僕の応接室を傷つけるなんて」
でも、大丈夫。もうすぐ修理しに(僕が脅した)業者が来るから。
胸を張って雲雀は言うが、問題はそこじゃない。
「獄寺君。今日学校来てないんですけど…」
病院送りになんてしてませんよね?あれでも俺の友達なんですよ!?
綱吉の必死な問いに雲雀は首をかしげた。
「さぁ?あの爆発の時、なんか応接室の外に吹っ飛ばされたのは見たけど、その後は知らない」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ」
吹っ飛んでそのままということは間違いなく、獄寺は病院行きの怪我だったのだ。

綱吉は応接室から慌てて飛び出し、近くの病院へと駆け込む羽目となった。

 end

「ご、獄寺く〜〜んっ。生きてるっ?」

獄寺君が好きな人、ごめんなさい
BLOGタイトルで御題(1 ガッコって光入らないよね
(06/12/23)

 ←戻る