最強少年、最凶少女2

その『報告』は確かに並盛生にとって走るだけの価値があるものだった。

「体育教師の山岡が今日来る予定の転入生にボッコボコにされたんだってさっ!」
綱吉は思わず口笛を吹きそうになった。ようはそれ位面白い事態だ。

やるじゃん、転入生っ。

体育教師の山岡と言えば、生活指導も受け持っている体格の良い教師で、大層生徒から嫌われていた。
なにせ、大した理由もないくせに生徒をすぐに殴る。
腕力だけは無駄にあるから、もろに受ければかなりのダメージだ。
俺も目ぇつけられてたしね。
そんな山岡をボッコボコとはっ。そんなことができる並盛生は綱吉たち(綱吉、獄寺、隣のクラスの友人である山本の3人)を除いてはいなかったのに。
「十代目、やっぱり危険なんじゃ…」
突然の事件に騒がしくなったクラス(戸惑いの声より喜びの声が圧倒的に多い)をよそに、獄寺は不安そうだ。
「心配性だなぁ。大丈夫だって言ったでしょう(今回はって、ね)?」
「今の状況を楽しんでらっしゃる十代目のお言葉じゃ心配にもなりますっ」

あ、バレたか。

獄寺君は俺の楽しみを基本的には優先してくれるけど、俺が危険になることは絶対にさせないもんなぁ。
遠くから救急車のサイレンの音が近づいてくるのが聞こえた。

 2end

山本が出てきました。名前だけ。
そしてまさかの隣のクラス。
(07/01/23)

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